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本記事では、無料ツール5選の詳細比較からコピペで使えるテンプレート、実施手順、分析方法まで完全解説しています。
社員の本音を可視化し、離職率低下・生産性向上につなげるためのポイントを、実例とともに紹介。中小企業やスタートアップでも明日から導入できる具体的な方法論で、組織のエンゲージメント向上を実現します。
無料ツールの限界と対策も解説し、予算ゼロからでも効果的な組織改善のファーストステップを踏み出せます。
無料で使えるエンゲージメントサーベイツール4選
従業員エンゲージメントを測定するためのサーベイを実施したいと考えていても、予算の制約から専用ツールの導入をためらう企業は少なくありません。無料で利用できる優れたエンゲージメントサーベイツールは数多く存在します。
ここでは、コストをかけずに質の高いエンゲージメント調査を実施できる無料ツールを4つ厳選してご紹介します。
Google フォーム - カスタマイズ性の高い万能ツール

Google フォームの主な特徴は、高いカスタマイズ性と拡張性にあります。5段階評価(リッカート尺度)、選択式、記述式など多様な質問形式に対応しているため、エンゲージメントの定量・定性両面の測定が可能です。また、条件分岐機能を使うことで、回答内容によって表示される質問を変えるようなインタラクティブなサーベイも設計できます。
Google フォームのメリット
- Googleドライブとの連携により回答データをスプレッドシートで自動集計
- 無制限の回答数と質問数が設定可能
- モバイル対応でスマートフォンからも回答しやすい
- テーマカラーやロゴの設定で企業ブランドに合わせたデザインが可能
- 回答集計の基本的なグラフ表示機能あり
Google フォームの活用ポイント
サーベイ実施後のデータ分析を効率化するには、質問作成時に回答選択肢の数値を明確に設定しておくことが重要です。例えば「非常に満足=5、満足=4...」というように数値を明示しておくと、後の分析が容易になります。また、スプレッドシートの関数やピボットテーブルを活用することで、部門別や年齢層別など多角的な分析も無料で実現できます。
機能 | 利用可否 | 備考 |
---|---|---|
匿名回答 | 〇 | 個人情報収集設定をオフにすることで実現 |
回答数制限 | 〇 | 無制限 |
高度な分析機能 | △ | スプレッドシートと組み合わせて実現可能 |
テンプレート | 〇 | Googleが提供するテンプレートあり |
SurveyMonkey - 基本機能無料のプロ仕様アンケートツール

SurveyMonkeyの無料プランでは、10問までの質問と100件までの回答を収集できます。小規模なチームや部門単位でのパイロット調査に適しており、サーベイ設計の専門知識がなくても、プリセットされた質問項目を利用することで効果的なエンゲージメント測定が可能です。
SurveyMonkeyの主な特徴
- エンゲージメント測定に最適化された質問テンプレート
- 洗練されたUI/UXで回答者の離脱を防止
- 基本的な分析ダッシュボードの提供
- スマートフォン最適化されたモバイル対応デザイン
- 幅広い質問タイプ(評価スケール、マトリックス、ドロップダウンなど)
無料版の制限を考慮すると、核となる重要質問に絞ったコンパクトなサーベイ設計が効果的です。例えば、「仕事へのやりがい」「上司との関係性」「成長実感」など、エンゲージメントの主要因子に焦点を当てた質問構成を検討しましょう。
無料プラン制限 | 内容 |
---|---|
質問数 | 最大10問 |
回答収集数 | 最大100件 |
分析機能 | 基本的なグラフ表示とデータエクスポート |
カスタマイズ | 限定的(ロゴ変更不可など) |
Typeform - デザイン性に優れた直感的なサーベイ作成ツール

Typeformの無料プランでは、月間10件の回答と基本的なロジックジャンプ機能が利用可能です。小規模なチームや初期段階の試験的導入に適しており、特に回答品質を重視する企業に推奨できます。ストーリーテリング形式でサーベイを設計できるため、従業員の本音を引き出しやすいという特長があります。
Typeformの強み
- エンゲージメントを高める洗練されたUX/UIデザイン
- 回答者の離脱率を下げる一問一答形式
- 画像や動画を組み込んだリッチな質問表現
- 条件分岐による個別化されたサーベイフロー
- APIによる他システムとの連携可能性
回答数の制限がある点を考慮すると、特定の部門や課題に特化した深堀り調査に活用するのが効果的です。例えば、エンゲージメントスコアが低い部門に対する原因究明や、特定のテーマ(リモートワーク満足度など)に絞った詳細調査に向いています。
Typeformの活用シーン
エンゲージメント低下の兆候がある部門に対して、その原因を深掘りするフォローアップ調査や、組織変革後の従業員感情を丁寧に拾い上げる質的調査などが適しています。また、視覚的に美しいデザインは、企業ブランドイメージを大切にする組織にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
Microsoft Forms - Office利用企業におすすめの連携ツール

Microsoft Formsの最大の利点は、Microsoft Teams、SharePoint、Excelなど他のMicrosoft製品との連携のしやすさにあります。Teamsチャネル内で直接サーベイを配布したり、PowerBIを使って高度な分析を行ったりすることが可能です。これにより、エンゲージメント測定から分析、結果共有までのワークフローを一貫して管理できます。
Microsoft Formsの特徴
- Microsoft環境との統合によるスムーズな運用
- シングルサインオン(SSO)による簡単アクセス
- Excelによる詳細なデータ分析が可能
- 多言語対応で国際的なチームにも適用可能
- 企業のセキュリティポリシーに準拠した安全性
Microsoft 365ライセンスを持つ組織では、追加コストなしでプロフェッショナルなエンゲージメントサーベイを実施できます。特に、従業員のメールアドレスと連動させることで、部門別・チーム別の分析も容易になります。ただし、完全な匿名性を確保したい場合は設定に注意が必要です。
Microsoft Formsの活用ポイント
PowerAutomateと組み合わせることで、特定のスコアを検出した際に管理者に通知を送るなど、アラート機能を実装することも可能です。また、定期的なサーベイ実施を自動化するワークフローを構築することで、継続的なエンゲージメント測定の仕組みを効率的に運用できます。
Microsoft連携ツール | エンゲージメントサーベイでの活用方法 |
---|---|
Teams | サーベイの配布とリマインダー通知 |
Excel | 詳細なデータ分析と時系列比較 |
PowerBI | 部門別・属性別の視覚化されたダッシュボード作成 |
SharePoint | サーベイ結果の社内共有ポータル構築 |
無料ツール選定のポイント
これらの無料ツールはそれぞれに特徴があり、組織の規模や目的に応じて最適なものを選ぶことが重要です。ツール選定の際は以下のポイントを考慮しましょう。
- 組織規模と予想される回答数
- 既存システムとの連携必要性
- 分析の深さと必要なデータ活用レベル
- サーベイデザインのカスタマイズ度合い
- 匿名性の確保と信頼性のバランス
効果的なエンゲージメントサーベイの作り方
エンゲージメントサーベイは従業員の組織に対する愛着や意欲を測定する重要なツールですが、ただ質問を並べるだけでは効果的な結果を得られません。ここでは、無料ツールでも実施できる効果的なエンゲージメントサーベイの作り方について解説します。
必須質問項目と設問設計のポイント
エンゲージメントサーベイを効果的に実施するには、適切な質問項目の選定が不可欠です。以下に必須の質問カテゴリーと設問設計のポイントをご紹介します。
カテゴリー | 測定内容 | 質問例 |
---|---|---|
仕事の満足度 | 業務内容や役割に対する満足度 | 「現在の業務内容にやりがいを感じている」 |
組織コミットメント | 会社への愛着や帰属意識 | 「この会社で長く働きたいと思っている」 |
上司との関係性 | マネジメントへの信頼度 | 「上司は私の成長をサポートしてくれる」 |
同僚との関係性 | チームの連携や職場環境 | 「チーム内でのコミュニケーションは円滑である」 |
成長機会 | キャリア開発やスキルアップの機会 | 「会社は私のキャリア開発を支援してくれる」 |
心理的安全性 | 意見を自由に言える環境 | 「チーム内で意見や懸念を自由に共有できる」 |
設問設計にあたっては、以下のポイントに注意しましょう:
- 具体的かつ明確な表現を使用する
- 抽象的な言葉や専門用語は避け、誰にでも理解できる言葉で質問を作成しましょう。
- 誘導的な質問を避ける
- 「〜ではないですか?」といった誘導的な質問は正確な回答を得られません。
- ダブルバーレル質問を避ける
- 「仕事内容と職場環境に満足していますか?」のように複数の内容を一つの質問に含めないようにしましょう。
- 15〜25問程度に絞る
- 質問数が多すぎると回答率や回答の質が低下します。
5段階評価と自由回答の適切な配置
エンゲージメントサーベイでは、定量的評価と定性的評価をバランスよく組み合わせることが重要です。
効果的な評価スケールの選び方
5段階評価(リッカート尺度)は最も一般的で使いやすい評価方法です。以下のようなスケールが推奨されます:
スコア | 評価 | 特徴 |
---|---|---|
5 | 強く同意する | 非常にポジティブな評価 |
4 | 同意する | ポジティブな評価 |
3 | どちらでもない | 中立的な評価 |
2 | 同意しない | ネガティブな評価 |
1 | 全く同意しない | 非常にネガティブな評価 |
5段階評価のメリットは以下の通りです:
- 回答者にとって選択肢が明確で回答しやすい
- 中間点があるため強制的な二極化を避けられる
- データの数値化・分析が容易
- 経年変化や部署間比較がしやすい
自由回答欄の効果的な設置方法
数値評価だけでは捉えきれない具体的な課題や改善アイディアを集めるために、自由回答欄の設置は非常に重要です。以下のポイントを押さえましょう:
- カテゴリーごとに設置する
- 「仕事の満足度」「上司との関係性」など、カテゴリーごとに自由回答欄を設けることで、より具体的なフィードバックを得やすくなります。
- 適切な質問文を用意する
- 「改善すべき点があれば教えてください」よりも「もっと働きやすくなるために、具体的にどのような変化があるとよいですか?」のように具体的に尋ねるほうが有益な回答を得られます。
- 必須回答にしない
- 自由回答は任意にすることで、本当に伝えたいことがある従業員からの意見を集められます。
効果的な自由回答の質問例:
- 「あなたが最もやりがいを感じる業務は何ですか?それはなぜですか?」
- 「チームの連携をより良くするために必要なことは何だと思いますか?」
- 「会社全体で改善すべき最優先事項は何だと考えますか?」
- 「あなたの成長を促進するために、会社や上司に期待することは何ですか?」
匿名性確保
エンゲージメントサーベイの成功には高い回答率と率直な意見の収集が不可欠です。そのためには匿名性の確保と回答促進の工夫が重要になります。
匿名性を確保するための具体的方法
従業員が本音を話せる環境を作るためには、以下の点に注意して匿名性を確保しましょう:
- 個人を特定できる質問を避ける
- 部署名と役職を組み合わせると個人が特定される可能性があります。小規模組織では部署レベルではなく全社レベルでの集計を検討しましょう。
- 外部ツールの活用
- Google フォームなどの外部ツールを使うことで、回答と回答者を切り離すことができます。
- 匿名性に関する明確な説明
- 「回答は完全に匿名で処理され、個人を特定する目的では使用されません」といった説明を冒頭に入れましょう。
- データ取り扱いの透明性
- 誰がデータにアクセスでき、どのように分析・活用されるかを事前に共有しましょう。
適切な実施頻度と所要時間の設定
エンゲージメントサーベイは、適切な頻度と適切な長さで実施することで、より効果的なデータ収集と従業員体験の向上につながります。
組織規模別の理想的な実施頻度
組織規模 | 推奨実施頻度 | メリット |
---|---|---|
小規模(〜50名) | 四半期ごと | 変化の速い組織文化をタイムリーに把握できる |
中規模(51〜300名) | 半年ごと | 定期的なチェックと施策の効果測定が可能 |
大規模(301名〜) | 年1〜2回 | 十分な施策実行期間を確保しつつ、定点観測ができる |
頻度設定の際の重要なポイント:
- 施策の実行と効果測定のサイクルを考慮する
- サーベイを実施して課題を特定し、施策を実行し、その効果を測定するには一定の期間が必要です。
- 組織変化のスピードに合わせる
- 急速に成長している組織や変革期の組織では、より頻繁な測定が有効です。
- パルスサーベイとの組み合わせ
- 詳細な年次サーベイと、5問程度の簡易的なパルスサーベイを組み合わせることで、効率的なモニタリングが可能になります。
回答者の負担を考慮した所要時間設計
サーベイの所要時間は回答率と回答の質に直結します。以下のガイドラインを参考にしましょう:
- 理想的な所要時間は5〜10分:これは15〜25問程度の量に相当します。
- 最大でも15分を超えない:長すぎるサーベイは回答率の低下や、後半の質問への適当な回答を招きます。
- 進捗バーの表示:「全体の何%が完了したか」を示すバーを表示することで、回答者の完了モチベーションを維持できます。
- 実際の所要時間を事前告知:「回答には約7分かかります」と正確に伝えることで、回答者が時間を確保しやすくなります。
効果的なエンゲージメントサーベイ設計のための最終チェックリスト:
- 主要なエンゲージメント要素をカバーしているか
- 質問は明確で誤解を招く表現がないか
- 5段階評価と自由回答のバランスは適切か
- 匿名性は十分に確保されているか
- 回答所要時間は10分以内に収まっているか
- 回答率向上のための施策は準備されているか
- 実施頻度は組織の状況に合っているか
これらのポイントを押さえることで、無料ツールでも十分に効果的なエンゲージメントサーベイを設計・実施することができます。従業員の声を定期的に集め、可視化し、適切な施策につなげていくことで、組織のエンゲージメント向上と生産性向上を実現しましょう。
こんな人におすすめです
Survey4HRは以下のようなニーズをお持ちの方に最適です
タレントマネジメントシステムは高機能すぎる
複雑な機能は必要なく、シンプルに組織の声を集めて分析したい方に最適です。必要な機能だけに絞ったサーベイツールで、導入も運用も簡単です。
無料で実施できるサーベイツールを探している
基本プランは完全無料で利用可能。小規模チームや部門単位での試験的な導入にも最適です。必要に応じて機能を拡張できるフレキシブルな料金体系を用意しています。
匿名性があるサーベイを実施したい
回答者の匿名性を完全に保証するシステム設計。本音の声を集めることで、表面化しにくい組織の課題を発見し、効果的な改善策を打ち出すことができます。
エンゲージメントサーベイ無料テンプレート公開
エンゲージメントサーベイを実施したいけれど、どのような質問を用意すればよいのか迷っている担当者は多いのではないでしょうか。ここでは、すぐに使えるエンゲージメントサーベイの無料テンプレートをご紹介します。これらのテンプレートを活用することで、従業員のエンゲージメント状況を効果的に測定し、組織改善に役立てることができます。
基本的な16問テンプレート(コピペですぐ使える)
エンゲージメントサーベイを初めて実施する企業や、シンプルに従業員の意識を把握したい組織におすすめの基本テンプレートです。以下の16の質問は、従業員のエンゲージメントを包括的に測定するために厳選されたものです。
カテゴリー | 質問項目 | 回答形式 |
---|---|---|
仕事の満足度 | 1. 現在の業務内容にやりがいを感じている | 5段階評価 |
仕事の満足度 | 2. 自分の能力や専門性を十分に発揮できている | 5段階評価 |
チーム・人間関係 | 3. 職場の人間関係は良好だと感じる | 5段階評価 |
チーム・人間関係 | 4. 上司からの適切なサポートを受けられている | 5段階評価 |
会社への信頼 | 5. 会社の方針や将来ビジョンを理解している | 5段階評価 |
会社への信頼 | 6. 会社の発展に貢献したいと思う | 5段階評価 |
成長機会 | 7. 現在の職場で成長できる機会がある | 5段階評価 |
成長機会 | 8. 必要なスキルアップのサポートを受けられている | 5段階評価 |
心理的安全性 | 9. 職場で自分の意見や考えを自由に発言できる | 5段階評価 |
心理的安全性 | 10. 失敗を恐れずに新しいことにチャレンジできる環境がある | 5段階評価 |
ワークライフバランス | 11. 仕事と私生活のバランスが取れている | 5段階評価 |
ワークライフバランス | 12. 過度な残業や休日出勤を強いられることはない | 5段階評価 |
組織コミットメント | 13. この会社で長く働き続けたいと思う | 5段階評価 |
組織コミットメント | 14. 友人や知人にこの会社を勤め先として薦めたい | 5段階評価 |
総合評価 | 15. 総合的に見て、現在の職場環境に満足している | 5段階評価 |
フリーコメント | 16. 会社やチームの改善点や提案があれば自由に記入してください | 自由記述 |
5段階評価の目安は、「1: 全くそう思わない」「2: あまりそう思わない」「3: どちらともいえない」「4: ややそう思う」「5: 非常にそう思う」としています。フリーコメントは任意回答としても構いませんが、具体的な課題や改善点を把握するための貴重な情報源となります。
このテンプレートはGoogle フォームやMicrosoft Formsなどの無料ツールに簡単にコピー&ペーストして利用できます。質問の順序は、回答者が答えやすいよう、カテゴリーごとにまとめることをおすすめします。
部門別カスタマイズテンプレート
基本テンプレートに加えて、各部門特有の課題や状況を把握するための追加質問をご紹介します。これらを組み合わせることで、部門ごとのエンゲージメント状況をより詳細に分析することが可能になります。
営業部門向け追加質問
営業部門では、目標設定やインセンティブ制度に関する満足度、顧客との関係構築など、営業活動特有の要素を測定することが重要です。
カテゴリー | 質問項目 |
---|---|
目標設定 | 営業目標は達成可能かつ適切に設定されている |
インセンティブ | 現在の評価制度やインセンティブは、努力や成果を適切に反映している |
営業ツール | 営業活動に必要なツールや情報が十分に提供されている |
顧客関係 | 顧客に対して自信を持って自社の製品・サービスを提案できる |
製造・技術部門向け追加質問
製造・技術部門では、安全性や品質管理、技術革新に対する姿勢などが重要なエンゲージメント要素となります。
カテゴリー | 質問項目 |
---|---|
安全環境 | 職場の安全対策は十分に講じられている |
品質管理 | 高品質な製品・サービスを提供するための体制が整っている |
技術革新 | 新しい技術や手法を学び、導入する機会がある |
作業効率 | 業務プロセスは効率的に設計されており、無駄な作業は少ない |
人事・管理部門向け追加質問
人事・管理部門では、社内コミュニケーションや制度設計、組織運営に関する視点が重要です。
カテゴリー | 質問項目 |
---|---|
社内連携 | 他部門との連携や情報共有は円滑に行われている |
制度理解 | 人事制度や評価制度について十分理解している |
業務負荷 | 業務量は適切で、持続可能な働き方ができている |
組織貢献 | 自分の業務が会社全体にどのように貢献しているか理解している |
部門別の質問を追加する際のポイントは、基本テンプレートと合わせて全体の質問数が20問程度に収まるよう調整することです。質問数が多すぎると回答率が低下する可能性があります。また、部門特有の課題を反映した質問を追加することで、より具体的な改善策を導き出すことができます。
リモートワーク環境向けテンプレート
コロナ禍以降、リモートワークやハイブリッドワークが一般化する中、従来の職場環境とは異なる課題が生じています。以下は、リモートワーク環境におけるエンゲージメントを測定するための専用テンプレートです。
リモートワーク基本質問(10問)
カテゴリー | 質問項目 |
---|---|
通信環境 | リモートワークに必要な機器や通信環境は十分に整っている |
ワークスペース | 自宅や勤務場所に集中して作業できる環境がある |
コミュニケーション | オンラインでも円滑に同僚や上司とコミュニケーションが取れている |
情報共有 | 必要な情報へのアクセスや共有が適切に行われている |
タスク管理 | リモートワーク中でも業務の進捗管理ができている |
ワークライフバランス | リモートワークにより仕事とプライベートの切り分けが難しくなっている |
心理的安全性 | オンライン会議でも自分の意見を自由に発言できる |
評価の公平性 | リモートワークでも自分の貢献や成果が適切に評価されていると感じる |
チーム連帯感 | 物理的に離れていてもチームとしての一体感がある |
改善提案 | リモートワーク環境での業務改善について具体的に提案したいことがあれば記入してください |
ハイブリッド環境向け追加質問(5問)
オフィス勤務とリモートワークを併用するハイブリッド環境では、さらに以下の質問を追加すると効果的です。
カテゴリー | 質問項目 |
---|---|
勤務体制 | 現在の出社とリモートの割合は自分の業務に適している |
情報格差 | リモートワーク中と出社時で情報量や意思決定への参加に差を感じない |
オフィス活用 | 出社日には対面でしかできない業務や交流に集中できている |
勤務場所選択 | 業務内容に応じて適切に勤務場所(オフィス/自宅)を選択できている |
理想の働き方 | 理想的なハイブリッドワークの形態について、具体的な提案があれば記入してください |
リモートワーク環境でのサーベイ実施においては、特に匿名性の確保と率直な意見収集が重要です。オンラインツールを使用する際は、回答者のIPアドレスなどの個人情報を収集しない設定にすることで、より本音を引き出すことができます。
テンプレート活用のための実践的アドバイス
エンゲージメントサーベイのテンプレートを効果的に活用するためのポイントをご紹介します。
- 質問のカスタマイズ: 組織の状況や課題に合わせて質問文を微調整しましょう。特に業界特有の用語や自社の取り組みに関連する質問は、従業員にとって理解しやすい表現に変更することが大切です。
- 実施前のテスト: 本格実施前に少人数のグループでテスト回答してもらい、質問の分かりやすさや回答しやすさをチェックしましょう。
- 定点観測: 一度使用したテンプレートは、比較分析のために次回以降も同じ質問を維持することが重要です。特に経年変化を測定したい項目は変更しないようにしましょう。
- 分析の準備: 回答結果を部門別、年齢層別、勤続年数別などでクロス集計できるよう、基本属性に関する質問も含めることをおすすめします(ただし個人が特定されない範囲で)。
これらの無料テンプレートを活用することで、専門的なコンサルティングサービスを利用せずとも、効果的なエンゲージメントサーベイを実施することが可能です。自社の状況に合わせてカスタマイズし、継続的な測定と改善のサイクルを確立していきましょう。
定期的なエンゲージメントサーベイの実施により、組織の課題を早期に発見し、従業員満足度の向上や離職率の低下、生産性の向上につなげることができます。特に変化の激しい現代のビジネス環境では、従業員の声を聴き、迅速に対応することが組織の競争力を高める重要な要素となっています。
まとめ
無料ツールを活用したエンゲージメントサーベイは、企業規模に関わらず組織改善の第一歩として非常に効果的です。
Google フォームやSurveyMonkey、Typeformなどの無料ツールを活用すれば、予算の制約があっても質の高い従業員の声を収集できます。
サーベイ設計では質問数を15〜20問程度に抑え、匿名性を確保することが回答率向上の鍵となります。結果の分析後は具体的なアクションプランを立て、経営層や管理職がコミットして改善に取り組むことで、組織の心理的安全性と従業員エンゲージメントの向上につながります。
定期的な実施でPDCAを回し、組織の「見える化」を進めることが、活力あるチーム作りへの確実な一歩となるでしょう。